将来像実現に向けた
「課題」と「戦略」

  • 沖縄らしい自然と歴史、伝統、文化を大切にする島
  • 心豊かで、安全・安心に暮らせる島
  • 希望と活力にあふれる豊かな島
  • 世界に開かれた交流と共生の島
  • 多様な能力を発揮し、未来を拓く島

沖縄らしい自然と歴史、伝統、文化を大切にする島

基本的課題(将来像を実現するために解決しなければならないこと)

  • 自然環境の保全と再生

    失われつつある独特な自然や景観などを、どのように取り戻していけばいいの?

  • 世界に誇れる
    環境モデル地域の形成

    島しょ圏における環境モデル地域って、どうやってつくるの?

  • 独特の歴史、伝統、
    文化の復興と創造

    歴史・伝統・文化・県民性などを、どう守り、継承・活用していけばいいの?

  • 沖縄らしい風景・景観と
    まちづくり

    風景や景観を再認識し、どう守り、創り、育て、活かしていくの?

沖縄グリーン・
イニシアティブ

  • 先進的な自然環境の保全・再生を推進します。ゾーニングや環境収容力の考え方に基づく新たなルール・仕組みづくりを行います。
  • リサイクル技術を高め、廃棄物を資源として活用するシステムを確立します。また、自然環境に負担が少ない循環型社会をめざすとともに、経済発展の好循環を構築していきます。
  • 国際的なモデルとなる「低炭素島しょ社会」をつくっていきます。亜熱帯の海洋島しょ圏という立地特性に合った環境技術(廃棄物資源の地域循環システム、再生可能エネルギーの導入など)の革新を進めます。

沖縄伝統文化・芸術の
創造と活用

  • 沖縄のよさと認識されている、命どぅ宝、ユイマール、イチャリバチョーデーといった精神文化を、大切な地域資源として守り、つなげていきます。さらに、普遍的・国際的価値観として世界に発信し、国際交流をはじめ様々な分野で活かしていきます。
  • 芸術、エンターテイメント、食など、文化産業を戦略的に創造・育成し、観光リゾート地としての質を向上させ、新たな産業と雇用を創出します。

千年悠久の人間に
優しいまちづくり

  • 沖縄固有の景観・風景・風土を重視し、時間とともに価値が高まっていく「価値創造型のまちづくり」(景観10年、風景100年、風土1000年)を実現します。
  • 高齢化社会と脱自動車社会を見据えた交通環境をつくり、自転車や歩行者中心のコンパクトな都市を創造します。

心豊かで、安全・安心に暮らせる島

基本的課題(将来像を実現するために解決しなければならないこと)

  • 健康・長寿の復活

    健康・長寿をどのように復活させていくの?

  • 個性豊かな地域社会づくり

    地域社会をどのように再生していけばいいの?住民と行政を、どのようにつなげていくの?

  • 安全・安心な暮らしの実現

    子育てしやすい仕組みづくりや、健康・介護・医療体制をどのように充実させていけばいいの?
    災害への対応、治安の維持向上などは、どうやって取り組めばいいの?

食・風土・技術を活かした
健康・長寿地域づくり

  • 健康や長寿の分野で、沖縄が優位性・独自性を発揮できる食文化や風土などを再評価・活用できる方法を探り「健康・長寿おきなわ」の実現にむけて取り組みます。
  • 総合医療や高度先進医療を導入します。県民と地域、学校、医療現場、大学、研究機関、行政の連携システムをつくります。

セーフティネット(安全網)
形成

  • 保健・医療体制、医療と連携した介護・福祉の充実をめざす「健康福祉セーフティネット」、21世紀を担う子どもたちが可能性を発揮できる社会をつくるための「子育てセーフティネット」を整備します。
  • 大規模自然災害、感染症の流行、国際犯罪、経済危機、食品偽装、凶悪事件など、重大リスクに対して危機管理機能を向上できる「社会リスク・セーフティネット」を確立します。
  • 米軍基地から派生するあらゆる問題から県民の安全・安心を確保するため、日米地位協定の見直しなど、必要な協議や措置を求めていきます。

共助・共創型地域づくり

  • 地域資源などの掘り起こしや磨き上げによって、それらを地域の宝・財産として共有します。また、地域社会を構成する住民や多様な主体の連携により、「共助・共創型のまちづくり」を進めます。
  • 異なる環境を持つ県内の各地域社会が「同等の条件」を確保できるよう、地域特性に応じて産業、環境、教育、保健医療、交通、行政サービス、生活基盤の充実・強化を推進します。
  • 距離と時間を克服する情報通信技術の活用は、島しょが持つ課題の克服や沖縄の自立的発展を支える有効なツールとなることから、沖縄全域においてユビキタスネットワーク社会を実現します。

希望と活力にあふれる豊かな島

基本的課題(将来像を実現するために解決しなければならないこと)

  • 21世紀の「万国津梁」の実現

    アジア・太平洋地域との交流を、どのように進めていくの?

  • 地域に根ざした産業の振興

    地域産業を持続的に発展させるにはどうすればいいの?

  • 沖縄を索引する
    新しい産業の育成

    那覇空港の国際物流ハブ機能をどのように活用していくの?環境、健康、高度医療分野など次世代産業を創出するにはどうすればいいの?

  • 雇用の創出と人材の確保

    雇用の場の確保や、働きやすい職場環境をどうやって整備していくの?

  • 離島力の発揮

    地域資源を持続的に活用する仕組みをどのようにしていくの?地域の担い手は、どのようにして育てていくの?

  • 基地返還跡地の活用

    沖縄全体の発展のために、どのように活用していけばいいの?

  • 資金の確保

    民間投資を促し、政策金融の充実・強化はどうやって行うの?

21世紀の「万国津梁」形成

日本本土とアジア・太平洋地域、欧米州等との交流を促進します。情報通信基盤、空港・港湾の整備や機能拡充を進めて、国内・国際交通ネットワークの新しい展開とコスト低減を図ります。
アジアの経済発展の恩恵を受け、かつアジアの発展に寄与できる「アジア・ゲートウェイ」を実現します。

持続的発展の基礎となる
地域産業の振興

農林水産業では、おきなわブランドを確立し、食品加工、流通・販売、観光等が連携・融合した新たな付加価値の創出を図ります。
地域や島々に根ざしている農林水産業や製造業、医療・福祉・介護など地域産業を支え、振興に取り組みます。
優位性のある地域資源を活用した地域密着型産業の育成・支援を図ります。

沖縄新・リーディング産業
育成

環境収容力を配慮しながら、世界水準の「目的地型リゾート」をつくっていきます。
情報サービス、ソフトウェア開発、コンテンツ制作など情報通信産業の高度化・多様化を進めます。
沖縄科学技術大学院大学等を中心とした「知的クラスター」を形成し、ライフサイエンス、医療・健康分野の技術革新や新産業の創出を図ります。
那覇空港や那覇港の国際物流拠点を形成し、国際競争力のある機能強化によって新たな臨空・臨港型産業の集積を図ります。
本土を含むアジア地域の消費者ニーズや気候変動など様々な環境変化に対応できるフロンティア型の農林水産業を振興します。
再生可能エネルギー等の環境関連産業を、沖縄の基幹産業の一つとして振興します。
海洋資源の開発・利用を促進し、海洋産業を振興します。

雇用対策と多様な人材確保

働きたい人が働きたい職につける雇用の場の確保、就業支援、多様な生き方が選択・実現できる職場環境を整備し、「雇用セーフティネット」を確立します。
若者、高齢者、女性等の就業を促進し、将来的に不足する労働者については積極的に県外労働力(外国人含む)の確保・育成を推進します。
国内外から「頭脳人材」(超一流の研究者・科学者、専門家等)を受け入れるための環境を整備します。

海洋島しょ圏を支える
離島力発揮

条件不利性やシマチャビ(離島苦)等の実情を踏まえながら、交流人口の増大、地域産業の振興、雇用の場の創出を図り、「自立ネットワーク型」の離島振興モデルをつくります。
排他的経済水域の確保や豊富な海洋資源の存在など国益を担う地域として、価値を再確認し、「離島力」を高める取り組みを促進します。

大規模な基地返還跡地の活用

都市再生の視点から跡地利用を推進し、人と自然が調和する生活空間を回復します。
基地返還跡地の有効利用と県土構造の再編を「自立経済構築」の大きな柱として取り組みます。
返還跡地の整備では、連携と協働による広域的な構想・計画を立案し、新しい跡地整備の仕組みや法制度等を創設します。

政策金融の活用

地域産業の振興や新たな産業分野の創出、離島振興、基地返還跡地の開発など、多額の資金需要に対応するため、総合政策金融機関としての沖縄振興開発金融公庫を積極的に活用します。

世界に開かれた交流と共生の島

基本的課題(将来像を実現するために解決しなければならないこと)

  • 外交における沖縄の役割発揮

    新時代の沖縄振興に向けて、どのような国際戦略があるの?

  • 国際交流と共生の
    ネットワークづくり

    人、モノ、情報、文化、科学技術などの交流ネットワークはどうやってつくるの?

  • 科学の振興と世界への
    協力・貢献

    国際的な課題の解決に向け、沖縄の特性とこれまでの経験・知識などは、どう活かし、どのように貢献していくの?

  • 平和の発信と
    世界平和への貢献

    平和を願う「沖縄の心」をどう継承、発信し、世界平和にはどのよう関わり、貢献していけばいいの?

沖縄が担うべき地域外交

地理的・歴史的な特性を活かし、日本の国際貢献の一翼を担い、アジア・太平洋地域との交流や世界各地とのネットワークづくりを行います。

人・知識・文化の融和する
海邦交流拠点形成

アジア・太平洋地域との多元的なネットワークをつくり、新しいビジネスを創出するなど、沖縄の振興をリードする交流拠点をつくります。

科学の振興と知の集積による
国際貢献拠点形成

食糧・エネルギー・医療など多くの課題がある国際社会への貢献のため、様々な科学分野の研究・集積、技術の振興を図ります。
アジア・太平洋地域の共通課題に対して、情報発信、技術移転、プロジェクトの実施を通して、国際的な協力・貢献を積極的に行います。
世界から頭脳人材を誘致し、世界的課題解決のため知的交流機会を創出して、「グローバル頭脳ハブ」を形成します。

アジア・太平洋
「平和協力外交地域」形成

沖縄のソフトパワーを活用した平和協力外交を担って、アジア・太平洋地域の持続的安定と平和に資する「新たな外交地域」として貢献します。

多様な能力を発揮し、未来を拓く島

基本的課題(将来像を実現するために解決しなければならないこと)

  • 人間形成を重視する教育

    しつけや道徳心、教養、自立心と誇りをもった人間を形成するにはどうするの?

  • 個性を育む教育

    家庭教育、学校教育、地域社会での教育はどうあるべきなの?

  • 沖縄の活力を生む人材の育成

    時代のニーズに対応した人材は、どうやって育てていくの?

人権尊重と共生

人権を尊重し、助け合い、支え合える心豊かな社会をめざし、家庭や学校、地域が恊働・参画によって沖縄らしい個性をもった人づくりを推進します。
沖縄県民全員が公平に教育機会が享受できる環境を整備します。

グローバルな
教育先進地域づくり

県民のニーズに応じた教育の機会を提供し、児童生徒の学力向上、豊かな心と健やかな体の育成に取り組みます。
理解力、判断力、人間力などを重視し、「国際性」と「個性」を伸ばす教育システムを拡充します。

「海邦養秀」の拠点形成

個性のある多様な地域資源を活かし、農林水産業や製造業、建設業、医療・福祉・介護などの地域産業と地域社会を支える専門人材の育成を強化します。
県内の知的資源やアジアとのネットワークなどを活用し、沖縄の基幹産業やこれからの有望産業を担う「産業人材」、地域社会づくりをリードする「地域リーダー人材」を育てます。